2016/05/17

Americaへ










CanadaからAmerica・Idaho州。そしてWashington州へ。北東部は乾燥した砂漠地帯。果てしない大地にそれでも唐突に現れる凹凸や渓谷は遡ること1000万年前の火山活動、氷河期に起きたColumbia Riverの大洪水により形成されたもの。




そしてこの地帯至る所で見られる巨大なシャワーマシーン!






太古の昔に度重なり起きた溶岩洪水、そして氷河期の終わりの大洪水が重ね上げた肥沃な地層に溜め込まれた地下水。それを源に第2次世界大戦後に普及した「センターピボット方式」大型灌漑農業。
自走式スプリンクラーが無数の円形の緑を荒涼とした地に生み出しては、Americaは世界の一大食糧供給地として成り上がった。


灼熱の大地の狭間を進んでいるかと思えば、瞬く間に鮮やかな緑色した農地に囲まれる相反性を感じながらの走行になった。
















大活躍Rift Stove




そんな瞬間を堪能しながら16日間ノンストップで走り続けてる。午前中はのんびり過ごして数十キロだけ進んでみる、なんて日もあるわけで。一日の走行距離は平均62kmほど。
以前痛めた右膝には常に意識をおきながら、無理のないスピードやルート、プランを立てているおかげで、今のところ疲れは出ても痛むことなく気持ち良く走行中。

Americaに入ってからは何故だかよく昔のことを思い出す。
ある夜、初めてTomokiに打ち明けた話。
とある京都のちっちゃな集落で育った自分。幼少時から病弱で喘息を患っていて風邪のたび呼吸をヒューヒュー鳴らし、時には辛さと悔しさに泣きながら学校に通う日も。
全校生徒100人弱の小学校で毎年開催されるマラソン大会。病弱な自分はもちろん毎年ビリなわけで。気を効かせて先生がわざわざゴールテープを用意してくれ、沸き起こる拍手にとても複雑な気持ちになってたっけ。
水泳のおかげである程度の基礎体力とスタミナがついたものの、病弱な姿をいつも心配して支えてくれていた母が、いつかの運動会で涙を流しながら見つめてくれてたあの優しい瞳。20年近く経った今でも脳裏に焼きついてる。
そんな自分が世界に飛び出して、しかも自転車に乗って旅するだなんてさ。ふと考えたら、どれだけ家族をまわりを驚かせたのかなぁ、なんてついつい笑ってしまう。

今こうして日々違った空気に身を包まれては新しく出逢う風景や文化や人々に、新しく芽生えてくる感情。
何処までも続くAmericaの広大な草原のなかでちっぽけな自分たちが出来ること。
時には立ち止まって今を真実を受け止めて、それから未来に向かって少しずつ前進してみようじゃない。
直感を信じてココロとカラダに素直になるだけさ。










2016/05/07 〜 05/16まで








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