2017/03/14

Cajamarca〜Lima 24日間1254kmの記録〈後〉〜Peru vol.4〜

アメニモマケズ
カゼニモマケズ

恐るべしPeruの山間部はえげつない急勾配に激しく曲がりくねった九十九折ばかり。
頂きから谷底まで落ちるように下って川に架かる橋を渡っては一気に1000mアップするような過酷なアップダウンが毎日のように僕達を試してくる。

それでも、少しずつでも
何があっても

自転車で前に進む
The Long and Winding Road


…………………………………………………………………………………………………………………………

2/27/2017 【Yanama→San Luis 44.27km】




土砂崩れで立往生する車を横目に自転車を押し進む。







2/28/2017 【San Luis→Huamantanga 47.39km】


膝の痛みが悪化して、もう漕げない…やるせなく座り込む。



目的地にはたどり着けなかったけれど、手前の集落で丁度良い雨避けを見つけて一泊出来るることに。夕食時に現れたガリガリの子犬は、テントのアウターとインナーの間で一晩暖を取っていた。







3/1/2017 【Huamantanga→Huari 11km】


昨夜の犬、あんな細こい足して走って付いてくるから運んじゃえ!!


連日続く、無数の尖った石コロで溢れたダート道に我慢も限界まで来ていたがパンクもしないまま無事にHuariに到着。
勘を頼りに地元の人達と交渉している内に、無料で部屋を貸してくれるという人に辿り着く。数日滞在&休養する予定だったのでこれは有難や。


部屋を提供してくれるという友達を紹介してくれたMoryさん。日本で4年間仕事をしていたという彼は僕達がこの街滞在中は毎日ごはんを奢ってくれた。




3/2〜3/2017 【Huariでひと休み】

しかしまたしても"ブレーキ問題"。Cachicadanに引き続き今回は後輪。ブレーキレバーを締めるとそのまま戻ってこないのでパーツを解体してみるとバネが真っ二つに割れてしまっていたという事でこれにはお手上げ。
ここからはこのまま内陸部を走り、Huancayoというそこそこ大きな街のどこかに自転車を預かってもらいバスに乗り首都Limaへ向かう(僕のパスポート延長申請の為)というつもりでいたものの、一刻も早く壊れたブレーキパーツを見つけるべく急遽直接Limaへ進路を取る様に予定変更。
首都迄の約500km(おそらく10日間程)、僕は片輪ブレーキのまま走行することに…。







3/4/2017 【Huari →温泉横 約42km※メーター故障の為、詳細不明】

Huariでは宿代も掛からず、美味しいもんもご馳走になってチョコっと公園で演奏。
Shizukaの膝もある程度回復したということでいざ出発!…あの子犬を自転車に乗せてね。
という訳で数日前から一緒だった子犬が「一緒に旅したい」ってお願いしてきている気がしたので、思い切ってShizukaの自転車の後ろに乗せて暫くの間進んでみたいと思います。
名前はHuariです。よろしく










この日はChavin de Huantarという村の外れにある温泉へ。


入浴中はしっかり外で待ってくれるなんてお利口なこと。





3/5/2017 【温泉横→Catac 約65km】








女の子でもガッつきますよっ






何とか今夜も雨は凌げましたな。





3/6/2017 【Catacを出発するはずが大工さんと1日過ごす】













3/7/2017 【Catac→ 約112km】


何だかもう、この子に夢中で自分達や周りのことなんかど〜でも良くなってきた。




箱が良い具合の高さになって首が乗るわ。




こんな愛くるしい存在が旅に付いてきてくれるなんて!!





3/8/2017 【→ Barranca 約70km】


最初はあんなに怯えていたのに、どんどん元気になっていくね。









3/9/2017 【Barrancay→El Paraiso 約58km】


今日も頑張ったね。









3/10/2017 【El Paraiso→Chancay 約57km】

昨日の野宿地を朝早く出発。まだ風は弱い。

少し走って時刻は8時52分。休憩しようと自転車を留めた。

ほんの一瞬だけ、カゴから道に下ろしたHuariから目を放した隙に彼女はいつの間にか道路を横切って対向車線側を歩いていた。

「マズい」と僕達は顔を見合わせ、反射的に彼女の名前を呼んだ。そして彼女も反射的に僕達の方を振り返っては二・三歩こちらへ近寄ってきた。

名前を呼ばなかったら、道路を渡り切っていたかどうかはわからない。

とにかくそれによってより道路の真ん中に位置してしまったHuariは次の瞬間、鈍い衝突音と共に車に轢かれその身体は吹っ飛び顔からは血を流していた。

Shizukaは咄嗟に彼女の名前を泣き叫び、僕は走って彼女を抱き上げたけれど、それしか出来なかった。

身体は左前足が折れている他は無傷で、主に頭部を強打したことで鼻と口からの流血は止まらなかった。
何が出来るかと色々な可能性を頭の中で駆け巡らせたけれど、結局は死んでいく彼女を見届けることしか出来なかった。

彼女を離したくなかったし、彼女から離れたくなかったけれどその場に座り込んだ僕達は何とか冷静に現実を受けとよめようと努力し、泣き咽びながらHuariの身体を衝突地点の横の砂浜に埋めた。

もっと一緒に居たかった。
彼女の身体を持ち帰りたかった。

とてつもなく大きな後悔の念に苛まれ始めていた。





3/11/2017 【Chancay→Lima 約57km】

Huariに出逢い、Huariを失ってLimaに到着することになった。
























0 comments:

コメントを投稿