2017/02/06

旅は道連れ自転車で〜Peru vol.1〜

◆"Peru走行開始10kmで瀕死の猫を助ける"の巻◆

◆ここまでのあらすじ◆

三蔵法師(Shizuka)と孫悟空(tomoki)は天竺(norte argentina )を目指し自転車を漕ぎ始めました。
Ecuadorでは数多くの仲間達と出逢い、その道はかけがえのない想い出に溢れた美しいものとなりました。
険しい国境越えの末にいよいよPeruの道を漕ぎ始めた2人を待つものは…。

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とってもユルい入国審査を終え、向かいのレストランで雨が止むのを待ちながらして始まりましたPeruの旅。
Ecuadorに後ろ髪を引っ張られながらも、自転車を漕ぎ始めた三蔵と孫悟空をPeruで最初に待っていたものは…






何と子猫‼︎

痩せ細り、びしょ濡れの子猫が道のど真ん中にポツンと独り。
通り過ぎようとする一行に必死の思いで助けを乞うてくるではないですか。

三蔵は初め、余りに痩せ細った足を見て鳥だと勘違いしましたが、前を走っていた悟空は鳴き声を聞き取っては瞬時に近付き咄嗟の判断で抱き抱えました。

悟空「こりゃぁたまげたっ!」
三蔵「寒くて震えてますね。しかし何でこんなところに…。」
悟空「捨てられたんだか何なんだか。よ〜こんな道のど真ん中で轢かれずに済んでたな。怪我もしていないようだし。」
三蔵「今は私達も食べ物を持ってないですし周りにも何も無いし、走るしか仕方無いですね。」







Peru走行初日からとんだ急展開。

子猫を抱え自転車を漕ぎ続けた一行はPuerto San Antonioという小さな集落に辿り着き、その夜は子猫を世話する為に安宿に入りました。




震えも無くなり、ご飯も食べ始めてはとりあえず安心。


それも束の間、少し元気になってきては眠りもせず遊びたい様子。おまけに辺り構わずウンチにオシッコをしてしまうのでした。





暫しの間は多目に見ていた悟空もいよいよ手に負えなくなってきました。自分達も明日自に備えて少しばかりは眠りたいもの。
独りで何処かへ行ってしまったり他の生き物に食べられてしまうことを恐れつつも、悟空は思い切って子猫を段ボールごと外に出すことにしました。
未だかなり衰弱していては自転車旅を共にする迄に回復するに数週間は要するでしょう。しかし一行は猫を世話出来るようなアイテムも準備もままなりません。オマケに三蔵法師は猫アレルギー…。

結局、悟空は色んな事を考えてはロクに眠ることが出来ませんでした。

ドアの向こう。外からは子猫のか細い鳴き声が2人を呼んでいるものの、夜が更けるにつれてそれも聞こえくなってしまいました。





翌朝。

三蔵は起きてから一目散に外に出ては段ボールの中に目をやりましたが子猫はいません。周りを見回しても、犬や鶏や家畜達が道を横切るだけ。

何処に行ってしまったのでしょうか。
誰かに食べられたり、車に轢かれてしまったのでしょうか。



諦めて朝ご飯にしようとした時、宿の主人が「昨夜、部屋に入り込んできたよ」と猫を抱えてきました。


ホッと一息といいますか、これから始まるこいつとの自転車旅を想像して気が重いとでもいいますか…。





悟空「この猫欲しくない?」
宿の主人や周辺のお宅「欲しくないね〜。」

という訳で、猫との自転車旅2日目の始まり始まり。


雨。上り坂。猫と共に。


今は寝ているけれど、この中でウンチされるのが恐い。


猫「今まさにウンチ漏れそうですわ!!」





悟空「これは困ったことになってきた…やっぱり今の僕達にこの猫を世話し続けるのは難しいや。」





8km程の坂を上り続けた一行はNuevo Esperanzaという集落に到着。自転車を止めては八百屋に寄りました。

八百屋「猫がバッグから外に出たよ。」
悟空「あぁ大丈夫、そんなに遠くには行かないだろ。」
八百屋「そいつと一緒に旅しているの?」
悟空「昨日拾ったばかりだよ。Ecuadorから国境を越えた後すぐに拾ったんだ。もう、助けるしかないような状況だったけれど、正直このまま一緒に旅を続けるのは難しいよね。」
八百屋「置いていっても良いよ。預かるから。」
悟空「えっ!?」


というわけで


里親と共に。




しっかり元気になってくれよ〜!!





悟空「ぐわ〜、本当に良がっだ〜!!」
三蔵「良くやりましたね悟空。」
悟空「安心して腹減った〜!!」

思いの外、早いお別れとなったもののこれに越したこと無し。
PeruとEcuadorの国境山間部で身寄りを失くした可哀想な子猫は、自転車で旅する日本人に運ばれてはNuevo Esperanza(新しい希望)という小さな集落にて新しい家族と出逢うのでした。




2017.01.25〜01.26迄




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