◆"沙悟浄との再会、そしてChimborazo山へ"の巻◆
◆ここまでのあらすじ◆
三蔵法師(Shizuka)は孫悟空(tomoki)と猪八戒(Lalo)と沙悟浄(Immo)と白馬(Hannes)と共に天竺(norte argentina)へお経を取りに自転車を漕ぎ始めました。
しかし白馬は道草を食ってばかりの一行に贄を切らしては沙悟浄を引き連れて先に行ってしまい、猪八戒はQuitoまで三蔵にお供していたものの来年3月から日本に出稼ぎに行くことが決定したので故郷Méxicoに帰っていきました。
天竺に続く長き道のり、残された三蔵と悟空の前に現れたのは…。
…………………………………………………………………………………………………………………………

三蔵法師達は猪八戒とこの旅最後の夜を、Cotopaxi山麓で迎えました。

ところが盛大な宴を以ってして猪八戒を見送る一行に、いつの間にか見覚えのある顔が加わっているではありませんか。

それは当の昔に白馬と共に先を急いで三蔵の下を離れていった沙悟浄(Immo)でした。

三蔵「一体どうしたというのですか沙悟浄。」
沙悟浄「白馬といったら毎日物凄いペースで走るもんで、とてもついて行けないのです。それに言葉もロクに通じないこの地を独りで旅するのはおっかなくてですね。」
悟空「一人旅が怖いって子供じゃないんだからさぁ…。それに、これから何処行くか知ってる?」
沙悟浄「もう何処へでも連れてって下さいな。独りになるのはまっぴら御免で。」
そう、一行はこれからCotopaxi山から約150km南南西に位置するEcuador最高峰のChimborazo山に向かうところなのでした。

当初の計画では多くのサイクリストと同じくAmbatoからRiobambaにかけての周回コース(青ライン)を考えていたものの、"Via Flores"(赤ライン)は距離は少し長くなるとはいえ僅かな農村部を通る静かで美しい道という点で断然オススメということ(しかも温泉がある敷地でキャンプができる!)。

その道を選んだのは大正解。通る道を少し変えるだけで、自分達の気分もその土地の印象も全く異なってくることを痛感。



川沿いで長閑かに昼食…とはいかなかったものの、
Ambatoから40kmひたすら登り到着したのはCunuyacuの湯治場。
三蔵と沙悟浄は夜が更けてからも星空を眺めながら温泉に浸かりっぱなしでした。

そして、いよいよChimborazo山に差し掛かろうという翌朝。

マイペース沙悟浄「あの〜、これからもう一回浸かってる時間て無いですよね…」
せっかち孫悟空「良いんじゃない?俺はもう先行くけれど」

じゃじゃ〜ん


しかし美しき山の頂きを臨めたのは遠くからのほんのひと時、

午後2時に4300m地点にある入場口を越えた頃には辺りはすっかり深い霧に包まれ、

三蔵法師は喘息持ちなので激しい息切れに悩まされ、

天竺どころか、今夜の寝床にさえ辿り着くのは容易ではないことを思い知らされる登り坂2days。


それでもキャンプ場所となる4850m地点に到達したときの歓喜と達成感は一行の絆を深めるには充分なものでした。




翌日に孫悟空は5300mまで登ってはキャンプ。生まれた華火山を思い起こさせたのか、はたまた北日本の厳しい冬を懐かしんだのか終始ご機嫌な様子でした。

良かったですね〜。

2016.12.14〜12.24迄